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どこまでこだわる?断熱性能の “目指すべき目安”

家づくり

結論!目指すべき目安は?

家族団欒の画像

家づくりについて調べると、割と早い段階で「断熱性能」という言葉に出会いますよね?

ただ、「なんとなく大事だと思うけど、具体的にどうすれば良いかわからない」という方が多いんじゃないでしょうか?

この記事ではそんな方に向けて、断熱性能を測る「Ua値」について解説しながら、目指すべき目安を明確化したいと思います

管理人 UT
管理人 UT

結論!Ua値0.4くらい(温暖な地域の場合)がちょうど良いと思います

どの情報よりもわかりやすく、かつ、根拠も明確になっているので、読んでみてください!

こんな方にオススメ
  • これから家を建てようと思っている方
  • 性能と経済性を両立した家づくりを目指している方
  • 断熱性能について調べてみたけど結局どうすれば良いかわからないという方

Ua値とは?

Ua値の定義

ノートの画像

「そもそもUa値って何?」ということを整理しておきます

Ua値は「外皮平均熱貫流率」のことで、「家の壁や屋根を伝ってどれだけの熱が逃げてしまうか」を表しています

式としては以下で表されます

Ua値(外皮熱平均貫流率)[W/m2・K]=熱損失量の合計[W/K]÷外皮面積[m2]

式ではわかりにくいですが、要するに「外気と部屋で1度温度差があった場合に、壁や屋根1m2あたりから逃げてしまうエネルギー」ということです

ということは、値が小さければ小さい方が、断熱性能が優れているということです

細かいことは抜きにして、ここでは「小さい方が良い」ということだけ理解していただければ大丈夫です

Ua値の基準

基準の画像

ひとくくりに日本と言っても、北海道から沖縄まで気候が大きく異なりますから、それぞれ地域を分けて考えるべきですよね?

そこで、日本を8つの地域に区分して、それぞれの地域に応じたUa値の基準を設けています

その上で、Ua値の基準もこの地域ごとに割り振られています

マグ・イゾベールからの引用画像
出典:マグ・イゾベール

地域ごとのUa値の基準は次の通りで、上から順に断熱性能が高い基準になっています

このように、さまざまな基準があることも、わかりづらさの一因となっていると感じます

  1地域 2地域 3地域 4地域 5地域 6地域 7地域 8地域
専門家の基準
(HEAT20)
G3 ≦0.20 ≦0.23 ≦0.26
G2 ≦0.28 ≦0.34 ≦0.46
G1 ≦0.34 ≦0.38 ≦0.46 ≦0.48 ≦0.56
国の基準※ ZEH基準 ≦0.40 ≦0.50 ≦0.60
等級4 ≦0.46 ≦0.56 ≦0.75 ≦0.87
〜等級3 (略) (略) (略) (略) (略) (略) (略) (略)
※ 2022.2現在、基準の見直しが検討されていますが、HEAT20より低い基準となるのは変わらない見込みです

目指すべき目安とその理由

目指すの画像

以降は話を簡単にするために、一般的なイメージとして、6地域で延床面積30坪程度の家を念頭に解説していきます

その前提で、私が考える目指すべき目安は「0.4くらい」です

理由は「費用対効果」で、実際に計算してみたところ、グレードアップに要する金額と削減できる光熱費の合計が最も安くなる目安が「Ua値0.4くらい」となりました

費用対効果のシミュレーションの結論は以下の通りです

Ua値 ① 追加施工費 ② 削減できる光熱費 ①+②
0.2 +約300万円 △約180万円 +約120万円
0.4 +約80万円 △約120万円 △約40万円
0.6 +約30万円 △約60万円 △約30万円
0.8 基準 基準 基準

本来、光熱費シミュレーションは日毎の温度変化等も考慮した複雑なもので専用ソフト等が必要となりますが、超簡単に自分でも計算できるようにわかりやすさを重視しています(それでも妥当な目安が算出できていると考えています!)

①追加施工費
  • 10社以上の工務店とやりとりをから得た感覚値を平均化したもの
②削減できる光熱費
  • 一生住むという前提で、50年間をシミュレーション
  • 室内温度は通年で20℃に保ち、春夏秋冬は3ヶ月ずつ、それぞれ平均気温が15℃、27℃、18℃、5℃(6地域をイメージ)と仮定
  • 外皮面積は250m2と仮定
  • 冷暖房効率(COP)は3と仮定
  • 光熱費単価は28円/kWhと仮定し、インフレ率は考慮しない
  • 上記の条件で、以下のようにそれぞれ計算(Ua値0.4の場合)

基準と比べて1年間で節約できるエネルギー[Wh]
=基準とのUa値の差[W/m2・K] × 平均気温と室内温度の差[K] × 外皮面積[m2] × 時間[h]
=(0.8ー0.4)×(5+7+2+15)×250×(24×365)
=25,404,000[Wh]=25,404[kW]

50年で削減できる光熱費[円]
=基準と比べて1年間で節約できるエネルギー[kWh] × 50[年] ÷ 冷暖房効率(COP)× 光熱費単価[円/kWh]
=25,404×50÷3×28
=11,855,200円=約120万円

ちなみに、今回の計算は一生住む前提で計算していますが、その理由はそもそも一生住まないなら持ち家はオススメしていないからです

まとめ

まとめの画像

この記事では、断熱性能の指標であるUa値そのものや、「0.4くらい(温暖地の場合)」を目指すべきだということを解説してきました

冒頭でも触れた通り、断熱性能について色々な情報が錯綜する中、ここまで簡単かつ根拠を持って示せている情報はないと自負しているので、ぜひ参考にしてみてください!(ちなみに、実際に私もこの目安を目指して家づくりを計画しています!)

断熱性能を高めれば、少ないエネルギーで家を快適に保つことができ、経済的にも家族の健康的にも良い影響をもたらし、家族の幸せにつながっていきます

ただ、快適な家を目指す上では、断熱性能の他にも気密性能、換気性能など、たくさん考えるべきことがあります

ですから、断熱性能はこの記事を参考にして、他の性能も考えながら総合的に判断したいですね!

この記事が、皆さんの家づくりの手助けになりますように!

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