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結局どっち?第一種換気 VS 第三種換気

家づくり

結論!どっちがいいの?

比較の画像

家づくりで「断熱」「気密」と並んで重要な要素として「換気」が挙げられます

そんな「換気」について「第一種換気」と「第三種換気」のどちらが良いのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

管理人 UT
管理人 UT

結論!温暖地ならどちらでも大差なし

でも、私のようにズボラなら第三種がオススメ…

この記事では、マイホームに導入する換気システムについて悩んでいるあなたに向けて、換気種別ごとの違いを、定量的と定性的の両面から整理します

これを読めば、あなたに適切な換気システムが判断できるようになりますから、ぜひ最後まで読んでみてください

こんな方にオススメ
  • これから家を建てようと思っている方
  • 性能と経済性を両立した家づくりを目指している方
  • 換気について調べてみたけど、結局どうすれば良いかわからなないという方

そもそも何が違う?

換気の画像

第一種換気と第三種換気はどういうものか、についておさらいしておきます

そもそも換気の方法は、吸排気の方法によって第一種から第三種に分類されます

換気方式の分類
第一種換気
  • 給気も排気も機械によって行う換気方法
  • 両方機械で行うことから、狙った通りの換気がしやすい
第二種換気
  • 給気を機械で行うことで室内の気圧を高め、自然に排気がされるようにする換気方法
  • 常に新鮮な空気が必要となる手術室などで使用されることが多い
第三種換気
  • 排気を機械で行うことで室内の気圧を低くし、自然に吸気がされるようにする換気方法
  • 住宅では最も一般的な換気方法

その内、主に住宅に使用されているものが「第一種換気」と「第三種換気」です

一般に、第一種換気は設備の費用が高くなる一方で、給気(=夏は暑く冬は寒い外気)と排気(=快適な温度の室内の空気)の間で熱の受け渡し(熱交換)ができ、光熱費を抑えられることが特徴です

反対に、第三種換気は設備の費用が安くなる一方で、熱交換ができないため、第一種換気と比べると光熱費を抑えられないということが特徴です

定量的な話

貯金箱の画像

設備の費用と光熱費の話が出ましたが、実際にどれくらいの差になるのしょうか?

一般的なイメージとして、6地域で延床面積30坪程度の家をイメージしながら計算してみました

その結果、第一種換気の方が若干お得になるものの、大きな差にはならないことがわかりました

なお、寒冷地等、気候の条件が厳しくなればなるほど、第一種換気の経済面のメリットは拡大していきますので、その点も参考にしてください

  ①初期費用 ②維持費用 ③冷暖房費 ①+②+③
第一種換気 約75万円 約350万円
第三種換気 約5万円 約450万円
差額 約40万円 約70万円 △約100万円 △約10万円

本来、光熱費シミュレーションは潜熱の影響等も考慮した複雑なもので専用ソフト等が必要となりますが、超簡単に自分でも計算できるようにわかりやすさを重視しています(それでも妥当な目安が算出できていると考えています!)

①初期費用
  • 10社以上の工務店のヒアリング結果の平均値から、第一種換気と第三種換気の差額は約40万円程度と設定
②維持費用
  • 一生住むという前提で、50年間をシミュレーション
  • 第一種換気と第三種換気の消費電力はそれぞれ40W、3Wと仮定
  • 光熱費単価は28円/kWhと仮定し、インフレ率は考慮しない
  • 10年に1度ファンの交換等が発生するとし、第一種換気は5万円/回、第三種換気は2千円/回と仮定
  • 第一種換気、第三種換気それぞれに必要な電気代を含めた維持費用を次の通り算定

第一種換気の維持費用[円]
=換気を稼働することによる電気代[円] + メンテナンス費用[円]
=消費電力[kW] × 稼働時間[h] × 光熱費単価 [円/kWh] + メンテナンス単価[円/回] × メンテナンス回数[回]
=40÷1,000×(24×365×50)×28+50,000×(50÷10)
=490,560+250,000
=740,560円

第三種換気の維持費用[円]
=換気を稼働することによる電気代[円] + メンテナンス費用[円]
=消費電力[W]÷1,000 × 稼働時間[h] × 光熱費単価 [円/kWh] + メンテナンス単価[円/回] × メンテナンス回数[回]
=3÷1,000×(24×365×50)×28+2,000×(50÷10)
=36,729+10,000
=46,792円

③冷暖房費
  • 一生住むという前提で、50年間をシミュレーション
  • 室内温度は通年で20℃に保ち、春夏秋冬は3ヶ月ずつ、それぞれ平均気温が15℃、27℃、18℃、5℃(6地域をイメージ)と仮定
  • 外皮面積は250m2、室内容積300m3と仮定
  • 換気回数は建築基準法の0.5回/hを採用
  • Ua値は0.4と仮定
  • 冷暖房効率(COP)は3と仮定
  • 光熱費単価は28円/kWhと仮定し、インフレ率は考慮しない
  • 第一種換気の熱交換効率は60%(カタログ値80%に対して漏気を考慮)と仮定
  • 上記の条件で、以下のようにそれぞれ計算

第一種換気の場合に必要な冷暖房費[円]
=(A)熱伝導で取得する熱量に対する光熱費[円]+(B)換気で取得する熱量に対する光熱費[円]
=2,923,200+613,872=3,537,072円

(A)熱伝導で取得する熱量に対する光熱費[円]
=熱伝導で取得する熱量[kW] × 時間[h] ÷ 冷暖房効率(COP) × 光熱費単価[円/kWh]
=Ua値[W/m2・K]÷1,000 × 外皮面積[m2] × 平均気温と室内温度の差[K] × 時間[h] ÷ 冷暖房効率(COP) × 光熱費単価[円/kWh]
=0.4÷1,000×250×(5+7+2+15)×(24×30×3×50)÷3×28
=2,923,200円

(B)換気で取得する熱量に対する光熱費[円]
=換気で取得する熱量[kW] × 時間[h] ÷ 冷暖房効率(COP) × 光熱費単価[円/kWh]
=空気が運べる熱量[W/m3・K] ÷1,000 × 室内容積[m3] × 換気量[回/h] × 平均気温と室内温度の差[K] × 時間[h] ×((100ー熱交換効率[%])÷100) ÷ 冷暖房効率(COP) × 光熱費単価[円/kWh]
=0.35÷1,000×300×0.5×(5+7+2+15)×(24×30×3×50)×0.4÷3×28
=613,872円

第三種換気の場合に必要な冷暖房費[円]
=(A)熱伝導で取得する熱量に対する光熱費[円]+(B)換気で取得する熱量に対する光熱費[円]
=2,923,200+1,534,680=4,457,880円

(A)熱伝導で取得する熱量に対する光熱費[円]
=2,923,200円

(B)換気で取得する熱量に対する光熱費[円]
=換気で取得する熱量[kW] × 時間[h] ÷ 冷暖房効率(COP) × 光熱費単価[円/kWh]
=空気が運べる熱量[W/m3・K] ÷1,000 × 室内容積[m3] × 換気量[回/h] × 平均気温と室内温度の差[K] × 時間[h] ÷ 冷暖房効率(COP) × 光熱費単価[円/kWh]
=0.35÷1,000×300×0.5×(5+7+2+15)×(24×30×3×50)×0.4÷3×28
=1,534,680円

ちなみに、今回の計算は一生住む前提で計算していますが、その理由はそもそも一生住まないなら持ち家はオススメしていないからです

定性的な話

掃除の画像

第一種換気でも第三種換気でも重要になるのが、定期的なメンテナンスです

そのメンテナンスは、機種にもよりますが、総じて第一種換気の方が大変になることが多いです

第一種換気も第三種換気も、フィルターの掃除やファンの掃除等、やること自体が大きく変わることはありません

ただし、「設置位置」によってメンテナンス性が大きく変わってくるという印象です

第三種換気は、浴室やトイレに排気ファンが、居室の壁面に給気口ついていることが多く、いずれも手が届きやすいです

一方、第一種換気は、本体が床下や天井裏に設置されていることが多く、日常の延長線でのメンテナンス難しいです

さらに、天井裏に設置されているものは、構造上、カバーを開けたら埃をかぶってしまうことになるものも少なくありません

全ての機種がこうだというわけではないですが、特に第一種換気を選ぶ際は、メンテナンス性にも注意して選びたいですね

まとめ

まとめの画像

この記事では、第一種換気と第三種換気の違いを解説した上で、それぞれの特徴について定量的、定性的の両面から比較してきました

その結果、冒頭でも触れた通り、個人的にはどちらの換気システムを採用しても致命的な後悔にはならないと考えています

その上であえて選ぶなら、経済性を重視する方には第一種換気を、メンテナンス性重視する方には第三種換気をオススメする、といったところでしょうか

ちなみに、私はかなりズボラなので、第三種換気を採用しようと思っています(笑)

合わせて、換気性能と密接に関係している気密性能についても、しっかり検討したいところです

この記事が、皆さんの家づくりの手助けになりますように!

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