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どこまでこだわる?気密性能の “目指すべき目安”

家づくり

結論!目指すべき目安は?

家族団欒の画像

家づくりで「断熱性能」と並んでよく聞く「気密性能」ですが、改めて考えるとなんのことだろうと思いませんか?

この記事ではそんな方に向けて、気密性能がなぜ必要なのか、気密性能を表す「C値」とは何なのかを解説しながら、目指すべき目安を明確化したいと思います

管理人 UT
管理人 UT

結論!C値0.7くらいがちょうど良いと思います!

どの情報よりもわかりやすくまとめてあると思いますので、ぜひ参考にしてください!

こんな方にオススメ
  • これから家を建てようと思っている方
  • 家族の幸せに繋がる健康的で快適な家づくりを目指している方
  • 気密性能について調べてみたけど結局どうすれば良いかわからないという方

気密性能の必要性

温熱環境を維持しやすくするため

寒い家の画像

家の性能に関する言葉のうち、「断熱性能」は直感的にもその重要性がわかりやすいですが、「気密性能」はなぜ必要なのかいまいちピンときづらいですよね?

気密性能が必要な理由の1つは、「温熱環境を維持しやすくするため」です

快適な部屋の温度や湿度を保つためには、冷暖房で調整した快適な空気の温度や湿度を保つ必要があります

部屋の空気の温度や湿度は、「壁などを通じた外気からの熱の伝達」と「外気の直接侵入」によって変化します

前者はまさに「断熱性能」に関する部分で、断熱性能が高ければ外気からの熱の伝達の影響を小さくすることができます

後者が「気密性能」に関する部分で、気密性能が高い、すなわち隙間が少なければ外気の侵入を防ぐことができますから、快適性を保つことができるというわけです

このように、断熱性能と気密性能はセットです

どんなに良い素材(断熱性能)を使っても、良い縫製(気密性能)でないと良い服は作れない、ということです!

適切な換気のため

換気の画像

2つめの理由は、「適切な換気のため」です

人が生活すると二酸化炭素が出て、どんどん酸欠の状態に近づいていきます

ですから、快適な生活のためには、温熱環境と換気の両立が必要になります

そして、(先の項目の通り)温熱環境には断熱性能と気密性能が重要で、換気には気密性能が重要です

なんとなく「逆に気密性能が悪い方が風通し良くて換気しやすそうじゃん」という感じもしますよね?

でも、実際は気密性能が良くないと、適切な換気ができないのです

次の画像は、気密性能が良い家と悪い家、それぞれの換気のイメージ図です

換気のイメージ図

最も一般的な第三種換気の場合、汚れた空気を排気口から強制的に排気することで、代わりに吸気口から外の新鮮な空気を取り込みます

この時、気密性能が良ければ、狙い通りに排気口と吸気口が機能して部屋全体の空気の換気ができます(左の図)

一方、気密性能が悪ければ、吸気口ではない別の隙間から空気が入ってきてしまい、狭い範囲だけでぐるぐると空気が循環(ショートサーキット)してしまいます

その結果、本来捨てたい空気が部屋の中にとどまってしまうため、酸欠に近い部屋で暮らすこととなります(右の図)

ですから、適切な換気のためにも気密性能を良くする必要があるのです!

換気の詳細については、こちらの記事をご覧ください

C値とは?

ノートの画像

気密性能を評価する上で用いられているのが「C値」です

C値は次の値で定義され、建物の大きさに対してどの程度の隙間があるかを表しており、小さい方が気密性能が良いことを表しています

C値[cm2/m2]=隙間面積[cm2] ÷ 建物の延床面積[m2]

ここで重要なのが、このC値は「実測値」であって「設計値」ではないということです

C値は、特別な機械で実際の現場で測定するのです

ということは、完璧な設計をしていても、現場の大工さんがサボってしまうと良いC値は出せないということなので、覚えておきましょう

また、これを利用して優良な施工会社を見分ける参考にすることもできます

目指す目安とその理由

目指すべき目安

目指すの画像

私が考える目指すべき目安は「0.7くらい」です

よく「C値1.0未満を目指しましょう」というような情報も見かけますが、私はそれより少し高めを目指すべきだと考えています

それでは、その理由を解説していきます

理由1 狙い通りの換気のために必要だから

狙いの画像

1つめの理由は、換気に関するものです

先にも触れた通り、気密性能と換気は密接な関係があります

きちんと狙い通りの換気をするためには、高い気密性能が求められるのは、先にも触れた通りです

一般的に、「第三種換気の換気設備が正常に作動するためにはC値1.0未満が条件」と言われていますので、この値は担保したいということです

なら、第一種換気であればそれほどC値にこだわらなくても良いかと言えばそうではありません

確かに、第一種換気は機械で吸気と排気を行うので、故障していなければ作動しないということはまずありません

ですが、第三種換気との違いとして、熱交換によって部屋の冷暖房のエネルギーをうまく活用するということが挙げられます

熱交換は、機械を通して行われますから、ここを通らずに隙間から空気が入ってきてしまうと、せっかくの設備を活かしきれなくなります

ですから、私は「C値1.0未満」は換気の種類によらず必要な目安だと考えます

理由2 経年劣化するから

劣化の画像

2つめの理由は、経年劣化に関するものです

1つめの理由だと「C値1.0くらい」が結論になりそうですが、経年劣化によって気密性能も多少悪くなっていきます

どれくらい悪くなるかということについて、非常に参考になるデータが公開されていまいた

余談ですが、この情報を公開しているのは住宅メーカーさんなので、こうしたマイナス面も見せている姿勢は非常に素晴らしいと思いました!

出典:FPの家

このデータからは、およそ次の2点が読み取れます

  • 5年後には概ね変化しなくなる(定常状態)になる
  • 5年後には平均すると4割くらい劣化する(上下の激しい「F様邸データ」以外を参照)

ということは、長期にわたってC値1.0を確保しようとすると、最初はC値を1.0÷1.4=0.7くらいにしておくと良いとというのが私の結論です

まとめ

まとめの画像

この記事では、気密性能がそもそもなぜ必要なのか、その指標であるC値そのもの、「0.7くらい」を目指すべきだということを解説してきました

冒頭でも触れた通り、気密性能はそれ自体がマニアックで専門的な情報が多い中、ここまで簡単かつ根拠を持って示せている情報はないと自負しているので、ぜひ参考にしてみてください!(ちなみに、実際に私もこの目安を目指して家づくりを計画しています!)

気密性能を高めれば、少ないエネルギーで家の温熱環境をコントロールでき、適切な換気も実現可能になるので、経済的にも家族の健康的にも良い影響をもたらし、家族の幸せにつながっていきます

ただ、快適な家を目指す上では、気密性能の他にも断熱性能、換気性能など、たくさん考えるべきことがあります

ですから、気密性能はこの記事を参考にして、他の性能も考えながら総合的に判断したいですね!

この記事が、皆さんの家づくりの手助けになりますように!

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